お預かりしていた片倉シルクのレストアが完了し、先日お引渡し致しました。
Twitterでは随時新着状況をツイートしておりましたが、こちらでまとめをしています。

こちらが約40年前の片倉シルク、セミオーダーのフレームです。
ご実家にずっと保管されていたそうですが、再び走ってみたい気持ちになり、当店にご相談いただきました。

ベルクレッタの代表は、片倉シルクにするかケルビムにするか迷ってケルビムにした思い出があるので「もし片倉シルクにしていれば、こんな感じだったのかも?」と、自分の自転車のような気持ちになったようです

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まず分解する所から始まりますが、ネジが固着して外れない部分がありました。
ドリルで壊し、タップを立てて処理しました。

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特に左のペダルは固着が激しく、潤滑剤ラスペネを注入して2,3日置いてもペダルレンチが壊れる程でしたがようやく外れました。

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「ゆっくり走ろう北海道」ステッカーは車体を磨く際に剥離させていただきました。
これも味があるので、残すのも考えたのですが……

北海道は道路が広く真っすぐなのが災いして、スピードの出し過ぎによる交通事故が多いそうです。
そこでこの「ゆっくり走ろうステッカー」が登場したわけですが、昭和50年代には各地で制作されたようです。
そういえば「ゆっくり走ろう京都」とか色々あった記憶があります。

「走る」以外でも、時代と共に色々な事にスピードが要求されている気がします。
例えばパソコンもクリックして一瞬で画面が切り替わらないとイラッとしてしまうし
今こそ一呼吸おいて「ゆっくり」を意識するのも大事かな~と思いました。

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基本的にオーナー様の最初の部品をレストアして使用致しますが、現行のものに変更しなければいけない場合もあります。
今回は以下の部分です。

1、泥除け(割れてしまっていたので)オーナー様のご希望である亀甲型を使用しました。

2、サドル(腐食)

3、ブレーキレバー(部品欠落)

4、BBはシールドベアリングのものに変更

サビ落とし、磨き、グリスアップ調整などの工程を経て組み上がります。
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明るくて使い勝手のよいKiREYの丸いフロントライトとグランボアのタイヤで、当時と同じランドナーの空気を感じていただけると思います。

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今ではお宝のナショナルのバッテリーライトをお持ちという事でしたので、お引渡しの時に拝見して中の古い電池を取り外しました。
接触部分を綺麗にすれば、さらに雰囲気の良いアクセサリが彩りを添えるでしょう。
(気になって調べたら、ヤフオクで当時1280円のものが10000円で入札が入っていました!)

完成後にオーナー様より一足早く試乗致しましたが、踏む込むと同時にスッと前に進む軽やかさと力強さ、流石片倉シルクです

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オーナー様はこのまま多摩市までお帰りになりましたが、ご帰宅後に「最初は慣れずによちよち運転でしたが、帰宅する頃には勘も戻り快適に帰宅する事ができました」とご連絡下さいました。
毎度のことながらレストアが終わると嬉しい反面、寂しいものがあるのですが、オーナー様の嬉しそうな笑顔が私達の何よりの宝物になっています。

もちろん以前「思い出の黄色いカップ」で書いた、黄色いカップもオーナー様の元に帰りました

H様、この度はレストアのお仕事をさせていただきありがとうございました。
これからは再び学生時代のように、楽しくツーリングをされてください。
まずは17日の関戸橋のフリーマーケットへ!